●印鑑(はんこ)の作り方・作製方法の違い、手彫り印鑑と機械彫りの印鑑の違い
●ハンコ屋の選び方・見分け方
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【印章館】

『パソコンフォント+機械彫り』と『手書き+手彫り』の違い

◎長くて申し訳ないのですが、印鑑は皆様の財産にかかわるものなので、後悔しない為に必ずお読み下さい。

※印鑑は、悪用されると
一生分の財産を失う可能性もあるほど重要なものです。
『パソコンフォント+機械彫り』なのに、『手彫り』とか『完全手彫り』とか『手仕上げ』などと謳っている店が非常に多いです。
※違法な二重価格の店も多数見かけます。(常にその価格なのに割引きしているように見せかけたり、手彫りの店の価格を消して安い機械彫りの価格を書いたり。)
中国や香港には実印制度や銀行印制度はありません。売られているのは観光客用(主に日本人用)に売られているのです。
落款印(絵画や書道の作品に捺す石製の趣味のハンコ・篆刻)の本場は中国ですが、いわゆる実印・銀行印・認印の本場は日本です。彫り方も道具も全く違います。
※水晶・メノー・ヒスイ・虎目石・ラピスラズリなどの
石製は、手彫りだと線がガタガタになります。普通に綺麗に仕上がっていたら100%機械彫りです。(海外でも日本でも。)
※落款印(篆刻)は実印や銀行印などとは違って、わざとデコボコに仕上げるのが特徴です。混同しないでください。


手彫り見本
手彫りの写真
※枠に土手をつけて彫ってあるため欠けにくくなります。
※文字の線の太さに変化をつけてあります。
※仕上げ刀の切れ味が悪いとエッジが光ってしまいます。切れ味が良ければ光りません。
※エッジが光るという事は刃が丸くなって滑っている証拠なので、そろそろ印刀の研ぎ時です。
※写真は、まだ朱肉を一度も付けていない状態です。
※この後、捺印して修正しますので、お渡し時には朱肉の痕跡があります。また、修正を繰り返すうちに朱墨が取れてくることもあります。


機械彫り見本
機械彫りの写真(既製品・江間)
※枠が垂直に切り立っています。
※文字の線の太さが一定です。
※これはメーカーが機械彫りで大量生産している『既製品』です。


【ものづくりフェスタ in しずおか】にて




手彫りの実演をやらせていただきました。


※動画です。音が出ます。

◎詳しくはこちら。


1、印章業界の現状と、作製方法の違い

まず、「ハンコ屋なんてどこも同じだろう。」とは思わないでください。
店によって、作り方・材質・文字の形・欠けにくさ・写りの良さ・偽造のされにくさ、などなど内容は全く違います。


印章業界には、「国家検定一級印章彫刻技能士」「国家検定二級印章彫刻技能士」という
国家資格があります。

しかし、法整備が進んでおらず、資格がなくても営業が出来てしまうので、技能士資格を持っていない店が年々増えてきているのが現状です。
つまり、
「自分で彫れない店・機械彫りしか出来ない店・印章に関する知識がない店」が数多く存在しているのです。
しかも、そのほとんどが、
「手彫り」とか「手彫り仕上げ」とか「完全手彫り」などと謳っております。

国家検定の試験には「実技」と「学科」の試験があります。
よって
「一級技能士」は、印章・ゴム印に関する多くの知識一通りのものを総手彫りで作ることが出来る彫刻技術を持っていると言えます。

以上の事から、「一級技能士がいる店」というのが、良い店を選ぶための「必要不可欠な絶対条件」といえるでしょう。

※必ず【合格証書】の写真があるか確認しましょう。

外注に出している店は、合格証書の写真はないでしょうから。(文字だけではダメです。)


なお、時々見かける
「一等印刻師」「一等彫刻師」というのは国家資格でもなんでもありません。
また、
技術的に「一級技能士」よりも上のランクなどありません。

当社の注文印章は、50年以上前から、当社の「一級技能士」が、毎回ひとつひとつ「手書き」で文字を書き、
丁寧に手で彫りながら文字を整えていくため
、全く同じ印鑑は二度と出来ません。
つまり、
絶対に他人と同じ印鑑にはなりません。
そして、
「欠けたり変形したりしにくい上質な材料のみ」を厳選して仕入れております。
その上で、出来るだけ価格を抑える努力をしているのです。

価格を落とすために、印材や作り方の質を落としたり、欠けやすい彫り方をしたり、同じものが何本でも出来てしまうような
危険な作り方は致しません。
しかし、現在
ネット上で売上を伸ばしているショップの多くは、危険にもかかわらず、「パソコンフォント」を使い「ロボット彫刻機」で作製しています。
実際に、検索して出てくるショップやスポンサーサイトやショッピングモールに出店している店などを何十ヶ所も見ましたが、
書体見本・彫刻見本がほとんど「パソコンフォント」でした。
しかも、そのほとんどが、「手彫り」とか「手書き文字」とか「手仕上げ」などと書かれていました。
「パソコンフォント」を使っていれば必ず「機械彫り」なのにもかかわらず・・・。

マウス操作を「手作業」と呼んだり、ちょっと枠を削ってるだけで「手彫り」とか「手仕上げ」とかいっている店もありました。
中には、機械で彫ったものをブラシでこすってゴミを取り除いただけで
「手仕上げ」といっている店もあるそうです。
「市販のフォントは使用していません。」と言っていても、手書きで文字を書いているわけではなく、「市販品ではないパソコンフォント」を使用しているだけだったり・・・。


「パソコンフォント」
を使った「印影見本」でありながら、堂々と「手書き文字」「手彫り」とうたっている店の中には、

「検索サイトやショッピングサイトの優良店」や「雑誌の推薦を受けているような有名店」
ありました
おそらく、ホームページをきれいに作ってあって売り上げが多いという理由だけでしょう・・・。

久しぶりにその中のひとつのサイトを見たら「手書き文字」の見本に変わっていました。
見本だけ変えたのでしょうか?(とてもプロとは思えない字でしたが・・・。)
そこは大手ネットショッピングモールにも出店し、
「完全手彫り」と書いてあります。
金額も当社よりも高めなので、一見本当に
「手書き・手彫り」のように思えてしまいますが、
受注数がものすごく多く、とても
「手書き・手彫り」で出来る数ではないので、
「パソコンフォント+機械彫り」にちょっと手を加えたぐらいか、
または
「手書き+機械彫り」で彫りっぱなしではないでしょうか。
中には、何十万もする象牙も売られていました。
なのに、
「一級技能士でも二級技能士でもない」ようです。
国家資格もない素人同然の人が作ったものが何十万もして、それを買う人がいるなんて・・・。
めちゃくちゃな世界です。


時々デカデカと新聞広告を出す店は、
「手書き+機械彫り」で彫りっぱなしです。
そこで作った印鑑が気に入らないから彫り直してくれというお客様がよくいらっしゃいます。
見せていただくと、手書きの文字を機械で彫っただけなので、
手で書いたデコボコの文字そのままです。
「作業の途中で時間が無くなったからそのまま送ったのか?」
と思えるほどひどい物でした。


最近よく見かけるようになったいくつかのネットショップも、
明らかに
「パソコンフォント+機械彫り」なのに、
堂々と
「手書き文字」「手彫り仕上げ」「完全手彫り」と書いてありました。
しかも、明らかに機械で彫った彫刻面の写真も堂々と載せて、
「手彫り仕上げ」とか「完全手彫り」とか書いてあるのにはあきれてしまいました・・・。
そういった店でも「検索サイトの推薦」や「大手インターネット雑誌に掲載」とも書かれていました。
ホームページの制作会社などが機械を買って運営しているショップが増えているそうですので、おそらくそういう店なのでしょう。

ごく稀に「ここはオリジナルの手書き文字かな!?」というサイトを発見しても、字の形が・・・、バランスが・・・。(すみません・・・。)
国家資格を持たない素人同然の人が趣味の延長で作っていたり、外注(下請けに作らせているだけ)だったり・・・。

「99.9%は、機械彫りです!」
「手彫りは、0.1%だけです!」

と謳っているサイトがありましたので、その店のホームページをよく読んでみたら、
「基本的に専門の職人にお任せしており・・・」
と書かれていました。
つまり、自分の店で彫っておらず、【外注】(下請けに丸投げ)に出しているのです!!
彫刻途中の写真を付けてくれるそうですが、
静止画では手で彫っている証拠にはなりません。
外注では、どんな作り方をしているかその店ではわからないのにどうしてそんなに強気なのか不思議です。
自分で作っていないから、何かあっても外注先のせいにすればいいとでも思っているのでしょうか。
ちなみに、売られている商品の半数は手仕上げ(半分機械彫り)でした。
手仕上げ(半分機械彫り)の商品と区別するために写真を付けているのでしょう。
「完全手彫り」と書いてある商品はもの凄く高いのですが、
外注だからあんなに高いのです。
ホームページのどこにも【一級技能士】と書いていないので、技能士の国家資格すら持っていないようです。
しかし、国家資格も持っていない店の商品があんなに高くて、しかも買う人がいるなんて・・・。
恐ろしい世界です。

この店は、
「開運印鑑はインチキです!」とか、「印相体はデタラメです!」とか謳っていますが、
おそらく外注先が印相体(吉相体)をやってくれないから、こじつけでそんな事を言っているのでしょう。


当店の近くにも、機械彫りの注文は自店で作製し、手彫りの注文は外注という店があります。

(お客様には、外注とは説明していないのかもしれません。)



※このような写真があっても、機械を使っていないという証拠にはなりません。



技能グランプリ等で数々の賞を取っている店もあります。
私は人と争う事が好きではないため出品しませんが、賞を取る事は悪い事ではありません。
ですが、
賞をたくさん取っているからといって、普段の仕事も手作りとは限りません。
そういう店の印影見本を見てください。
角印やイラストの見本ばかりで、実用印の見本がほとんどない店ばかりじゃないですか?
(逆に、当店の見本は、実用印の見本ばかりです。まだ見ていない方はこちら。)
普段の仕事は機械任せで、コンクールに出す時だけ手作りという店が実際は多いのです。
ですので、賞をたくさん取っているというのは、店を選ぶときにはあまり参考になりません。

そもそも、【吉相体の実印や銀行印のコンクール】というものは有りませんので、
賞をたくさん取っている方でも吉相体は苦手だったりします。
篆書体は辞書に載っている文字をバランス良く配置するだけでいいのですが、
吉相体はさらに自分で考えてアレンジしないといけないため一番大変なんです。
機械彫りの場合は、全部自動でやってくれる機械もあるそうですが。




機械彫りの写真と手彫りの写真を並べている店があります。
よく考えてください。
という事は、
その店には機械があるという事です。



いくら手で彫っていても、出来上がった文字がひどければ話になりません。
ぜひ、当社の
「印影見本」と他店の印鑑をじっくり比べて欲しいです。

『印章館』オリジナル印影見本(複製・二次利用厳禁)
※『印章館』オリジナル印影見本(複製・二次利用厳禁)


「パソコンフォント」を並べただけのもの、技術がない人が作ったものは、全体のバランスが悪いものが多い
という欠点もあります。
文字は画数などの違いから、混んでいる文字と空いている文字があるので、印章を作る場合これらのバランスを整える必要があります。
空いている文字を太くしたり小さくしたりして、全体の文字の混み具合を整えて配置するのがプロの技能士の仕事です。
バランスの悪いものとしっかりバランスを考えて作ったものとでは、ちょっとでもセンスのある人なら誰にでもわかるほど見た感じが違います。
バランスが悪いものを一生大事に使う気にはなれませんよね。


「ネットで安いところを探して買ったら、捺してもまともに付かなかった。」
という話もよく耳にします。
印面を平らに整えずに彫っているのでしょう。(仕入れたままの印材は印面が真っ平ではないので、彫る前にサンドペーパーやトクサ板などで平らに整える必要があります。)
そういうところは、質が悪くてもとにかく数をサバけば1〜2割返品されても構わないという考えなのでしょうね。

また、中にはネットショップしか持たない店、つまり
実店舗がない店も存在します。
ホームページは、商品の写真がずらっと並べてあれば、「品揃えが豊富で大きそうな店だなあ。」とついつい思ってしまいます。
しかし実際は、アパートの1室でやっていたり、実家の1部屋でやっているかも知れません。
または、全然違う業種の会社が副業でやっているだけかもしれません。
ネットの怖いところです・・・。
そういうショップは、まず『一級技能士』ではないでしょう。


福来郎(不苦労)の印鑑



2、その理由

「パソコンフォント+機械彫り」で作る店が多い理由ですが、よく考えてみればそれはそうでしょう。
あれだけ
「広告費・ショッピングモールやデパートへの出店費・リベートなど」を毎月払っていれば、よほどの本数を毎月売らなければ元が取れない。
それは、とても「手書き+手彫り」で1ヶ月に作れる本数ではありません。

もともと脱サラで
パソコンは詳しいが彫る技術がないショップが多い。というのもありますが、
ネット特有の過剰な価格競争によって、作製時間のかかる
「手書き・手彫り」では不可能な低価格で張り合い、
安物の「下級材料」「パソコンフォント+ロボット彫刻機」を使って短時間に「大量生産」しなければ、
もはや利益に結びつかない状態なのです。

残念な事に、
実店舗でもそういった店がかなり増えてきました。
同市内、当店近郊でも・・・、古くから営業している「一級技能士」がいるお店でも・・・。
今では全体の8割以上が、「パソコンフォント+ロボット彫刻機」を使っているのではないでしょうか。

FC店(フランチャイズチェーン店)は、ほとんどすべてと言ってもいいでしょう。

都会や繁華街の店などの中には、
「手書き・手彫り」ではとても追いつかないぐらいの注文数があり、
仕方なく(!?)やるようになった店も多いようですが・・・。

「他店で作ったハンコが欠けてしまったから彫り直して欲しい。」
「他の店で作ったハンコが気に入らないから、作り直して欲しい。」と、当店に
彫り直しを依頼するお客様が結構いらっしゃいます。
そのお持ちいただいたハンコの
ほぼ100%が機械彫りなのです。
この事からほとんどの店が機械彫りで作っている事がわかりました。
(彫り直しといっても全く同じ形には出来ません。印鑑の偽造は犯罪です。)

「ほとんどの費者が印鑑の重要性を認識していない印鑑に対する知識が少ない。」というのもひとつの原因でしょう。
学校でもほとんど教えてくれませんし・・・。
そのため、既製品の「家電製品」や「文房具」や「CD」などと同じように
「値段だけしか見ない消費者が多い」というのも、
「パソコンフォント+機械彫り」の業者を増やしてしまった理由でしょう。
我々印章業界としても反省しなければなりませんが。

よく
新聞などで大きく、
「一級技能士の○○先生が1本1本心を込めて・・・。」という広告をよく見かけますが、

あれだけの「広告料金」の元を取るには、いったい何本の印鑑を彫ればいいのでしょう?
到底、一人で彫れる本数ではありません。
また、「通信販売」や「カタログショッピング」などで、一日に何十本・何百本も注文を受けているようなところも同じです。
これらの下請けは、
「パソコンフォント+機械彫り」か、修行中の若者や素人同然のパート・アルバイトを何人も使って彫らせている「下請け工場」です。
時々、
「字が気に入らないから作り直して欲しい。」と言って、こういうところで買った物を持ってくるお客様がおりますが、字も彫り方もひどいものが多いです。
中には「まだ作業の途中ではないのか?」というようなものも何本もありました。
ちなみに日本の印章業界には、「業界で知らない人はいない有名な○○先生」などという方は存在しません。




3、見分け方

「パソコンフォント+機械彫り」で作っているショップの見分け方ですが、専門家でなければかなり難しいのです。
「書体見本」も参考にはなりますが、カタログから無断で引用して載せているところもありますので、確実ではありません。

お客様から見える店内で彫っているかどうかはかなり見分ける参考になるでしょう。

店内での彫刻風景
(一日中彫っているわけではないので、たまたま作業していない時もあります。)


ネットでは、手彫りの作業工程を写真付きで説明したり、手で彫っている動画を載せて、それらしく見せかけているショップも増えてきましたが、
『手で彫った印章の写真』、『手彫りの道具の写真』、『手彫りの動画のDVD』などは
市販されているので参考になりません
たとえオリジナルの写真であっても、静止画では手で彫っている証拠にはなりません。

確実に機械彫りなのは
「手作りでは不可能な本数を売り上げている店」です。
ネットショップの「購入者のレビュー
の人数」を見れば分かる場合もあります。
1日に何十人も買っている人がいれば、100%「パソコンフォント+機械彫り」です。
売上が多くて雑誌などに掲載されている場合も多々あります。
人の手でそんなに彫れるはずがありませんからね。

同じ理由で、ショッピングセンターなどでよく見かける
店舗数が多い店「パソコンフォント+機械彫り」でしょう。
5店舗あれば5人は技能士が必要ですが、そんなに技能士を抱えている店はないでしょう。

当店は、比較的「郊外」に店舗を構えているので「2人の一級技能士」で間に合っていますが、
都会・繁華街・デパート・百貨店・ショッピングセンター・ショッピングモールなど当店の何倍もお客さんが来るような立地条件の場合、
1〜3人くらいの技能士では「手書き・手彫り」では対応しきれないのではないでしょうか。


「手書きで文字を書き、手彫りで仕上げる作り方」ですと、
一人で一日に作れる本数は、
個人の実印で2本(残業して3本)、法人の実印(代表者印)では1本(残業して1.5本)
というところでしょう。
ですから、
大手のショッピングモールやデパートなどに出店して、テナント料以上を稼ごうと安く出品すれば、
手彫りではとても受注しただけ作れるわけがない
のです。
下請けに丸投げするか、「パソコンフォント+機械彫り」で短時間で作るしかないのです。
下請けに丸投げは価格的に難しいだろうから、「パソコンフォント+機械彫り」で作っているだろうと考えられます。

大手ネットショッピングモールに出店している店の中には、
技能士が2人しかいないのに
『1日30本限定の手書き文字・手彫り仕上げの認印』と堂々と謳って売っていたりします。
出来るはずがありません。

また
『彫るのに失敗した材料』というものを【訳あり】と謳って月に何百本も売っている店もあります。
どれだけ失敗する店なのでしょう??失敗しなかった本数のほうがずっと少ないのでは!?
当店でももちろん失敗する事はあります。でも、年に10本もありません。

いかかですか?
『ネットショップは嘘だらけ』だということが分かっていただけましたでしょうか?

手彫りの写真

次に見分けやすいのが金額です。
マンションや住宅でもそうですが、高すぎても安すぎても不安ですよね。

結論を先に言いますと、
「安すぎる店は機械彫り」「高すぎる店はどちらかわからない。」となります。

サラリーマンの平均年収は男性で511万円といわれております。

「週休2日・祝日休み・夏季休暇と冬期休暇合わせて10日・有給休暇なし・残業もなし」の場合、
年収500万円の人が実際に働く時間の時給で考えると、時給2,600円くらいです。
普通は有給休暇があるのでもっと高い時給になります。


一番柔らかくて彫りやすい
「柘の実印」(4文字)を「手書き+手彫り」で作ると休憩なしで5〜6時間くらいです。
(急いでやれば2時間半くらいでしょうか。仕上がりは悪いと思いますが・・・。)
ちなみに試験の時は、柘の実印なら2時間半くらいで彫らなければなりません。

実際には休憩をとらないと目・肩・腰など身体的にも無理ですし、商談・電話応対・ゴム印など他の仕事もあるので、納期的にはもっとかかりますが。
(かなり集中して作業しますので、一般の仕事のように休憩なしで一日中彫り続ける事は出来ません。)

では、
仮に時給2,600円として考えてみましょう。
5時間かけて作ったとすると、「13,000円+材料代+ケース代+諸費用」が商品価格となります。
諸費用には、事務職の給料や広告費や事務用品費や光熱費などの一部が含まれます。(金額は店によってまちまちですが、これがない店はありません。)

ただし、この計算は休憩も他の仕事もしないで一日中彫りっぱなしの場合です。
実際にはゴム印など他の仕事もあるし、休憩なしで一日中彫っていては倒れてしまいます。
まともな給料が出るためには、最低でも時給3,000円は必要です。
つまり、「15,000円+材料代+ケース代+諸費用」です。


これで「柘の実印」が、最低でもいくら以上しなければ「手書き・手彫り」で作っていないか、ある程度想像できると思います。
(ただし、「パソコンフォント+機械彫り」なのに、「手書き・手彫り」と見せかけるために、安くない店、逆に高い店もあります。)

最近、ものすごく安い金額で『完全手彫り』と謳っているショップを見かけました。
一級技能士と書いてあるのにその
『合格証書』も見当たらないし、この金額で手彫りのはずがないと思いよくよく調べたら、
その店で作るのは機械彫りの商品だけで、完全手彫りと書いてある商品はなんと
【外注】(下請けに作らせているだけ)でした。
外注では、どんな作り方をしているか分かりませんよね。

印章の作製のように、高い熟練の技術が無ければ出来ない仕事には、時間給に加え
『技術料』も必要になってきます。
柔らかい柘に比べ、硬い象牙などを彫るにはずっと時間がかかるので、それだけ作業代も高くなります。
また、硬い材料は印刀の切れ味も良くないと彫れないため、
熟練の技術が必要になります。
また、硬い材料を彫るとすぐに印刀の切れ味が落ちるため、
頻繁に印刀を研がなくてはなりません。
さらに、
高価な材料ほど失敗した時のリスクが高いため、それだけ技術料も高くなります。
「法人の代表者印」などは文字数が多くて細かいので
個人の実印の倍以上の時間がかかりますし、
文字が細かいのでより
高度な技術と集中力が必要です。
何時間もかけて作業しても、ちょっとのミスで印材が少しでも欠けてしまったら、また
最初からやり直しなのです。
材料も時間も無駄になります。
みなさんが想像するより、はるかに
高い集中力と細かい神経が必要なのです。

他の業種でも同じです。
整体やマッサージに行くと1時間5,000円くらいしませんか?
美容院でカラーとパーマをしてもらうと3〜4時間くらいで15,000円〜30,000円くらいしませんか?
ネイルサロンで流行のおしゃれなネイルをしてもらうと2〜3時間くらいで2万円前後しませんか?
エステに行くと1時間当たりいくらしますか?
車の修理をしてもらうと、部品代より工賃のほうが高いと思ったことはありませんか?

これらの作業は誰にでも出来る仕事ではありません。
数ヶ月から数年の『修行』が必要です。
ですから、これらの時給設定には
『技術料』が入っているのです。
より高度な技術・カリスマと言われるような人気のある店には、
10,000円以上の時給に設定されていることもよくあります。

商品として売り物になる印章を手作りで作るには、10年は修行しなければなりません。
10年修行して、新入社員並みの時給という事はありえません。


最近
カットが1,000円〜1,600円の床屋さんが増えています。
あれは
10分〜15分くらいで終わらせるから安いのです。
普通の床屋さんのように1時間半〜2時間半もかけていたらあの値段では絶対に出来ません。

これと同じように、
実印を安く売るには、本来は4時間くらいはかかるものを、パソコンフォントと機械彫りで15分〜60分位で作るしかないのです。

「ここは有名な大手のショッピングモールだから、ちゃんとチェックされているだろう。」
「この店は大手検索サイトの登録サイトだから大丈夫だろう。」なんて思わないでください。

サイトの管理者は、そのお店に行って嘘をついていないかなんていちいち調べていません。
出店申し込み書類をひと通り出し、書類に問題がなければ出店出来ます。

安売り競争が激しいところほど嘘が多いのはどの業種も同じです。

消費者としては安いところを信じたくなる気持ちはわかりますが、物理的に『手書き文字+手彫り』で安売りは不可能なのです。
購入者のレビューで「手彫りでこの値段で買えるなんてラッキー!」なんていうのを見ると悲しくなります・・・。
作り方の違いによる作業時間の問題ですから、「うちは卸業者だからこんなに安いんです。」というのは話の根本をすり替えています。
そもそも、仕入れて卸すだけの問屋さんが彫る技術を持っているというのもおかしな話なので、当然『機械彫り』と想像できます。
もちろん、機械彫り同士で比べれば、印材の仕入価格の違いも大きいですが、安い物は例えば同じ『黒水牛』という名前の材料でも、
『一番下のランク』の材料(つまり、欠けやすい・ひび割れしやすい・変形しやすい・芯に穴が開いている・小傷が多い等、何か不具合のある材料)
を使用していると考えたほうがいいでしょう。
何年か使用しないとわからない場合もあります。

何でもそうですが、安さを追求すると
「食品の産地偽装」「マンションの耐震偽装」と同じところに行き着きます。
危険な目に遭うのは安すぎるものを購入した消費者なのです。

「パソコンフォント+機械彫刻」だと、早ければ15分位で出来てしまいます。

一度に何十本も作れる機械もあります。
パソコン上でフォントに多少の手を加えて変形させれば他の店と全く同じではなくなりますが、

他より安くするためには、他より早く作ってたくさん売らなければなりません。
そうすると当然手を加えずにパソコンフォントを並べるだけになりますので、他人と
(または他店と)同じ印鑑になってしまうのです。
特に3月・4月など繁忙期には、そのような店では手を加えている時間はないのではないでしょうか。

「パソコンフォント+機械彫り」で作っている店は、基本的に技術も要らず作業時間も短時間で済むため普通は安く売っていますが、
中には
「手彫り」と見せかけるためや「テナント料・マージン・家賃・人件費」などを支払わなければならないため当店よりも高い店もありますので、
安売りじゃないから安心という訳ではありません。
デパートやショッピングモールに出店している店は、大抵
機械彫りなのに高いんです。

安い店は必ず機械彫りですが、安くない店だから機械彫りじゃないだろうということにはならないのです。

だから見分けが難しいんですよね・・・。

稀に、当店の価格が他店と比べて安いという方がいらっしゃいます。
店頭で『機械彫り』をメインに販売していて、あとから高級品として『手彫り』を追加した店は、
機械彫りの価格よりも手彫りの価格が高くなければおかしいから、とても
高い価格設定になっているようです。
「手彫りはこだわる人用に高く売る。」という考えなのでしょうか。
ずっと機械彫りでやっていて、息子さんが後を継いでから手彫りを追加したというパターンが多いようです。

ネットショップでは店によって価格が全く違いますが、
実店舗での価格は機械彫りの店でも極端に安くはないんです。
なぜなら、安くしてもそんなに数売れるものではないからです。
実印はいくら安くても一人1本しか買いませんからね。
しかも、実店舗に買いに来てくれるのは近隣の方だけですし・・・。

手彫り見本

その他の見分け方としては、
「チタン・アルミ」などの「金属製」や、
「水晶メノー・ヒスイ・トラメ石・ラピスラズリ」などの「石製」(最近は宝石印貴石印などといって売られている)を数多く扱っている店、
「アクリル・ラクト・ポリエステル」などのカラフルな「プラスチック製」の材料を数多く取り扱っている店、積極的に勧める店は、
ほとんど
「パソコンフォント+機械彫り」だと思われます。
なぜなら、
「チタン・アルミ」などは手で彫ることができないし、「石製」も手では綺麗に彫ることができないからです。
「プラスチック製」の材料は手でも彫ることも出来ないわけではありませんが、
非常に彫りづらいので商品としては手で彫っている店はないでしょう。
「柘以外の木材」も彫りづらいため、機械彫りがほとんどです。
「石製」は、ほとんどが墓石や大理石の表札と同じように、「サンドブラスター」という機械で彫られています。
「象牙・牛の角・柘は手彫りで、宝石印・貴石印は機械彫りです。」などと、彫刻方法が異なる事が明記されていればまだいいのですが、
残念ながらそのような表示をされている店を見た事がありません。

ちなみに、絵画・書道・絵手紙などの隅に捺す
「落款印」も石材ですが、
彫り方も道具も全く違いますので混同しないでください。(
「篆刻」という作り方です。)
「落款印」は非常に柔らかい石を使う上、実印や認印のようにきっちりと綺麗に彫るのではなく、
わざとデコボコに彫って味を出すのが基本なので、「篆刻教室」などでは小学1〜2年生でも彫れてしまいます。
「落款印」は、「機械彫り」の店でも技能士がいる店なら、ほとんどが手で彫られています。
(なかには、外注に出したり、サンドブラスターで彫っている店もありますが。)
ですから、
「落款印が手彫りだから、実印も手彫りだろう。」と思うのは間違いです。

また、
「彫る前にFAXやメールで版下を見せる事も出来ます。」という店も多いのです(当社もお受けできます)が、
「手書き」で書いていれば、文字は定規で書いたようなきれいな直線・曲線ではなく多少デコボコしているはずです。
当社では、それを手で彫りながら整えていくのです。
そのような説明がない店、出来上がりと全く同じ定規で書いたようなきれいな線の版下を送ってくる店は、
「パソコンフォント」を並べて作った版下をプリントして送るだけでしょう。
「パソコンフォント」を使っていれば必ず
「機械彫り」です。


手彫りの写真


また、
「象牙」には、「横目」(日輪)という材料があります。(通常は象牙も牛の角も柘もタテ目です。)

横目の象牙(日輪)

当店では扱っておりません
が、これは値段が高い上に最も欠けやすい材料なのです。
例えば、「割り箸」も「爪楊枝」も「家の柱」も「木目」が「縦」に入っているから折れにくいですよね。
もし「木目」が「横」に入っていたらどうでしょう?簡単に折れてしまい使い物にならないでしょうね。
それと同じで、硬い
「象牙」でも「横」に目が入っていれば、欠けやすくなってしまうのです。
実際に、
「他の店で買った横目(日輪)の象牙が欠けてしまった。」と言って、当店に相談に来られた方が過去何十人もいらっしゃいました。
当店で扱っている中で一番安い
「柘」よりも欠けやすいのです。
実際に彫り替えを頼まれて彫ったことは何度かありますが、手で彫りながらもボロボロと欠けてくる始末で、彫るのがとても大変でした。
こういうものを売っている店は、おそらく機械をすごくゆっくりと動かして彫っているのでしょう。
それなのになぜ高いのかというと、
「象牙」の下のほう(太いほう)はほとんど空洞になっています。
そのため、
「横目」で取り出すには「太くて長い象牙」が必要で、しかも「1本の象牙」からごくわずかしか取り出せないからです。
見た目や希少価値で納得したお客様に、
通常の「縦目の象牙」と比べるとはるかに欠けやすい事を説明した上で売るのならいいのですが、
これを一部の「店舗」「訪問販売」「通信販売」では、欠けやすさは説明せず、
「縁起がいい」などと言ってさらに高く売っているのです。
そのような店は「利益が第一」の店でしょう。
そのような店に聞くと、
「うちは技術が高いから大丈夫です!」とか、
「その店は技術がないからそんな事言ってるんですよ!」とか
「今まで欠けたという人は一人もいませんよ!」などとうまい事を言うらしいです。

そういう店で買って欠けたという人が、当店に彫り直しに来ているのですが・・・。


最近は「カラフルな印材」「透明な印材」などをよく見かけませんか?
これらの多くは
「アクリル・ポリエステル」などの合成樹脂製(プラスチック製)のハンコです。(当店では扱っておりません。)
これらは手で彫りにくいため、ほとんど全ての店で機械で彫られています。
これらは単に認印としてだけ使うだけならいいのですが、
実印や銀行印など登録印には使わないほうが賢明です。
なぜなら、温度変化や経年変化や朱肉の成分での化学変化などにより
変形しやすいので、登録は出来ても、
いざ
預金を下ろすときに変形していて下ろせなくなる可能性があるのです。
長期の保険の契約などに使うと、解約や満期の際に
「契約した印鑑と違う。」と言われるかも知れません。
夏場の車の車内、窓際、暖房器具の近くなどに置いておいたりしても変形してしまう可能性があります。
これを「実印や銀行印にも使えます。」と言っているショップは信用しないほうがいいでしょう。
実印としても多くの自治体が、
「ゴムやプラスチックなど、変形しやすいものは登録できない。」と条例で定めております。
また、
「水晶・メノー・ヒスイ・トラメ石・ラピスラズリ」などの「石材」も、欠けやすいため登録できない自治体があります。

プラスチック製も石製もほぼ100%機械で彫られていますが、機械彫りが登録出来ない自治体もあります。

つまり、変わった印材で印鑑登録すると、

「今住んでいる自治体では登録出来たのに引越ししたら登録出来なかった。」
という事が起こるかもしれないのです。


花の彫刻をした象牙



4、危険性

印鑑は飾りで押すのではありません。

もともと印鑑は【拇印】の代わりです。

同じ指紋は二つと無いように、同じ印鑑が二つ以上出来ては捺す意味が無いのです。
「実印は一生の財産の鍵、銀行印は預貯金の鍵」
ともいえます。

そんな
大事な「鍵」を、全く同じ物が何本も売られている、
「既製品」で済ませているような方いませんか?
既製品は「認印専用」として存在し、メーカーが機械で全く同じ物を何百本何千本と大量生産し、全国各地で売られています。
学校の
「卒業印」もこれに当たります。)

「パソコンフォント+機械彫りも同じように、何本でも同じ印鑑が出来る為、
せっかく注文して作っても「既製品」と同じような危険があります。

また、「吉相体」「テン書体」「古印体」「隷書体」のような「ハンコでよく使用されるパソコンフォント」は数種類しか市販されていないので、
全国で
同じ書体を数百件・数千件のハンコ屋さんが使用しているという状態なのです。

つまり、
同じ店ではもちろん、A店で作った「鈴木」という銀行印と、全く別のB店で作った「鈴木」という銀行印までもが、
全く同じ印鑑になってしまう可能性がある
のです。

ですから、
「パソコンフォント+機械彫り」で作っているショップは避けたほうが賢明なのです。


最近、外注先に作らせるやり方で印鑑の販売を始めた会社があります。
その会社の
京都府にある店兵庫県にある店に、同じ内容で印鑑を注文してみました。
その二つの印鑑が下の画像です。

機械彫りの例
左が京都府での注文、右が兵庫県での注文です。
ほとんど同じですよね。

『パソコンフォント+機械彫り』では、この様にほとんど同じ印鑑が他の人にも手に入ってしまうため大変危険です。
皆様の
財産にかかわる事ですので、くれぐれもお気を付け下さい。


また、最近は印鑑の偽造やピッキングによる犯罪も増えています。
「既製品」を通帳に使っていることがわかれば、簡単に預金を下ろされてしまう可能性があります。

例えば銀行印は、「携帯電話の購入」「スポーツクラブ入会」「クレジットカードの申し込み」など、
他人に印影を見られる機会が多くあります。
万が一その会社に悪い人がいたら、
同じ「既製品」のハンコを探されて預金を下ろされてしまう可能性があるわけです。

実印も、「車の購入時」「家・土地・マンションの購入時」「遺産相続時」
などの実印使用時に、他人に見られてしまいます。
もし、その実印が「既製品」だったら、同じ
ハンコを探されて、勝手に「借用書」を作られたり「連帯保証人」にされてしまう可能性もあるのです

つまり、印鑑を偽造するまでもないのです。
これは大変危険な事です。
白紙に実印を押すのと同じようなものなのです。

当店の作り方ですと、全く同じ印鑑は二度と出来ません。
しかし、「パソコンフォント+機械彫り」で作っている店は、パソコンのデータとしてお客様の実印や銀行印の印影データーが残っているでしょう。
機械で彫りっぱなしの場合、
お客様の印鑑と全く同じ印鑑をその店では何本でも作る事が出来てしまうのです。
それって、とても怖い事だとは思いませんか??
しかも、新しい店のほとんどは、機械を買っただけの脱サラの方です。
技能士の資格もなく、印章の知識もなく、修行もしていない
素人同然の人に自分の大事な実印を預ける事になってしまうのです。
人を雇っている店だと、
パートやアルバイト店員が、お客様の実印・銀行印を複製できてしまうのです。

「心配ではないですか??」

当店の作り方なら全く同じものは二度と出来ません。
「パソコンの印影データ」も存在しません。


印鑑と書類に不備がなければ、銀行も自治体も弁償してくれません。
自分の財産は自分でしか守れないのです。


※私文書に「本人又はその代理人の署名又は押印」があるとき、その文書は真正に成立したものと推定されると定める。
(民事訴訟法228条4項)


手彫り見本

銀行印や実印は、一人一人専用の物を持たなければなりません。

例えば、家族みんな同じ印鑑を銀行印に使用していると、相続の時にすべて故人の財産とみなされ、
自分名義の貯金なのに
相続税を徴収されたというケースもよく聞きます。
ペイオフ(金融機関が破綻した場合の定額預金保護)の場合も同様です。(以前、実際に金融機関が破綻しペイオフが発動されました。)
これを「名寄せ」といいます。
また、
家族と同じ印鑑で、実印登録も出来ません。

みなさん、大事なマイホームの玄関の「鍵」を選ぶとしたら、針金1本で開けられるような安い「おもちゃのような鍵」は選びませんよね
「既製品の印鑑」は、どこにでも売っていて誰にでも手に入る「おもちゃの鍵」のようなもの、
「パソコンフォントで作った印鑑」は、誰にでも簡単に「合鍵」が作れてしまうようなものです。

全く同じ物が誰にでも簡単に手に入ってしまう
危険のある、
既製品」「パソコンを使って作った印章」を実印や銀行印に登録するのは、
絶対に避けましょう。




5、欠けやすい


当社では
「欠けにくい彫り方」をしておりますが、
「機械彫りで作ったもの」「既製品」は、
下記のように「当社で彫刻したものよりも
欠けやすい。」という性質があります。
どんなに高い材料で作っても、硬い象牙で作っても、
彫り方が悪ければ簡単に欠けてしまいます。

手彫りと機械彫りの違い(イメージ)

◎このページの一番上の写真をよく見ればわかると思います。

ただし、手彫りでも『ロボット彫刻1』のように彫れば欠けやすくなってしまいます。
実は、手彫りの店でも欠けにくい彫り方にこだわっている店は少ないんです。
コンクールに出品する場合は、『ロボット彫刻1』のように彫るのが普通です。
なぜなら、丈夫さよりも捺した時にスッキリと見える事のほうが審査に有利だからです。
ですので、コンクール好きな方は『ロボット彫刻1』のように彫っていると思います。



実際に、
「他で作った象牙のハンコが、1回押しただけで欠けてしまった
「銀行のカウンターにポンと置いただけで欠けてしまった。」
などと言って、
当店に来られる方が、過去何人もいました。
そのほとんどは、
「通信販売」「訪問販売」のようです。
しっかりした店舗を構えている店は、そんないい加減な仕事は出来ませんよね!?・・・たぶん。
(最近は知識や技術が無い店が増えたので、そうとも言えないようですが・・・。)
1回で欠けてしまうなんていうのは、「ロボット彫刻1」の場合がほとんどです。
なかでも、象牙の「横目」(日輪)という素材は特に多いです。
しかも、そういうのに限って「何十万円もしたのに。」という方が多いです。高額を支払った上に欠けやすいなんてひどいですよね。

当社の彫り方は、印刀で斜めに土手をつけるため欠けにくいのです。
「ロボット彫刻1」で彫った「
象牙」
よりも、当社で彫った「柘」のほうが欠ける確率は低いと思います。

ただし、
「手彫り」なら必ず欠けにくいというわけではありません。
「手彫り」でも斜めに土手をつけずに垂直になるように彫れば、「ロボット彫刻1」と同じになるので欠けやすくなってしまいます。
(競技会に出品する場合は、枠が細いほうが捺した時に格好よく見えるので、枠を細くし土手をつけないように彫っている方が多い。)

また、トップページでも書いたように、
同じ名前の材料でも何種類もランクがあり
下級品では、すぐに欠けたり反ってきたりひび割れたり小さな穴が開いていたりする場合があります。

しかも、当社で「並」と謳っているランクの「象牙」を、これは「特上」だと言って高く売る業者もあるようです。
「象牙」は、「網目模様」が見えないくらい細かいほど丈夫でいい材質なのに、逆に「網目模様」がはっきり見えるほど良い物だとか縁起が良いだとか言って、
何も知らない一般消費者を騙す業者もいるようです。

また、
象牙」といってマンモスの牙」を売ったり、象牙の芯持」といってはカバの歯を売っている悪質な業者もいるようです。

「マンモス」は一時話題になりましたが、古い上に一度凍っているので、象牙よりモロくて臭う事さえあります。
象牙でも温度や湿度を調整して保管しないと質が悪くなると言われているのに、凍結したものを解凍すれば質がいいはずがありませんよね。

訪問販売などで、
「象牙の3本セットを50万円で買わされた!」とかいう話もよく聞きます。
ああいうのは、言葉巧みに何とかして買わせようと、話術で「買わなくてはどんどん不幸になる!」と思い込ませるのです。
しかも、相手の足元を見て値段を決めてきます。
あの値段には、営業マンの交通費・ホテル代・給料(売れなかった営業マンの分も含めて)、会社の利益、製作者の給料・・・などが含まれているし、
買う人が非常に少ないため、とんでもなく高いのです。
つまり、
1週間に1本しか売れなければ、その1本に営業マンの1週間分のホテル代や交通費や食事代を乗せるのです。

やはり、
「適正価格」で、「しっかりした店舗と技術を持つ店」で買うのが、まずは『安心への第一歩』ではないでしょうか。


龍の彫刻をした象牙



6、まとめ

まず、「一級技能士」がいるお店というのは必須条件ですが、「一級技能士」のお店なら必ず安心という訳ではありません。

「パソコンフォント」を使いながらも「手書き文字」と謳う店、枠や文字の一部だけ手で削って「手彫り」や「手仕上げ」と謳う店が多い中、
なかなか専門家でなければ本当かどうか見分ける事が出来ません。
「一級技能士」の店の中でも「パソコンフォント+ロボット彫刻機」で作っている店が多いのです。

実際に同市内でも、「一級技能士の店」「手彫り」と謳っていながらパソコンと機械で作っている店があります。
先日も、浜松市内にある「一級技能士」「手彫り」と謳っている店で「会社印」を注文した方が、
『「手彫りか機械彫りかどちらにしますか?」と聞かれたため、
「手彫りでお願いします。」と注文したのに、どう見ても機械彫りに見えるから見て欲しい。

というお客さんがいらっしゃいました。

現物を見せていただきましたが、明らかに機械彫りで、しかも文字が一部間違っていました。
他の何軒かの店でも見てもらい、どこの店でも「これは機械彫りですね。」と言われたそうです。

明らかに機械彫りで文字まで間違っているのに、その店に戻って指摘したら
「逆切れされた」ので諦めた
そうです。
ひどい店があるんですね。
浜松市内では結構大きなお店なのですが・・・。


また、同じ「一級技能士」でも技術の差がかなりありますので、注文する前に必ず「書体見本を確認しましょう。
(カタログなどから無断転載している店もありますので難しいのですが・・・。)
その上で、
「手書き」で文字を書き、「欠けにくい彫り方」をし、「欠けにくい材料しか扱っていない」というポリシーを持っていることが重要でしょう。

また、時々「一等彫刻師」一等印刻師」というのを見かけますが、あれは国家検定ではありません。

「他で作ったハンコが気に入らないから・・・」と言って、わざわざ当店で作り直すというお客様が何人もいらっしゃいます。
それで、
「これはすばらしい!」と気に入って喜んでもらえるのはうれしい事ですが、
「最初から当店で作っていれば結果的に安く上がったのに・・・。」と思うと残念でなりません。

他にも、「他店で作った会社の銀行印が綺麗につかないから新しく作ってほしい。」と、黒水牛の会社の銀行印を3本注文して下さった方がおります。
グループ会社か支社の銀行印らしいのですが、他店で購入した銀行印がきれいに・・・というよりもまともにつかなくて、
銀行のほうから「何とかしてください。」と言われたため当店に発注してくださった
という経緯です。
捺し方が悪い場合もあるのでお借りして捺させていただきましたが、やはりうまくつきません。

印鑑を作る工程で、彫る前にサンドペーパーやトクサ板などで印面を真っ平らに整えるという作業があります。
仕入れたままの印材では、印面が真っ平らではないからです。
おそらくその作業をしていない、または十分にしていないのだと思います。
結構手間のかかる作業ですからね。
また、文字のバランスも悪く、「パソコンフォント+機械彫り」でした。

どこの店かも聞きましたが、
やはり技能士がいない店でした。

注文印章は、「家電製品」や「文房具」や「本」や「CD」などの
「既製品」とは違い、店によって品質・内容が全く違います。
値段が安ければ、材料の質も下がり、機械化されるため欠けやすくなり、文字も悪くなって、悪用される危険度も高くなります。
逆に、訪問販売や一部の宗教などで、言葉巧みにとんでもなく高い金額で売りつける業者もいます。
また、「テナント料・家賃・マージン等」を支払うために、「パソコンフォント+機械彫り」にもかかわらず
当社よりも高く売っている店も多々あります。
つまり、
値段だけでは比べようがないものなのです


良質の材料を使い、しっかりした彫り方をしていれば、実印や銀行印は、家と同じようにほとんど「一生モノ」です。

慎重にお店を選び、
世界にひとつしかないあなただけの印章を作りましょう。



良い印章店の選び方・印材の選び方


※必ず一級印章彫刻技能士の【合格証書】があるか確認しましょう。
【一級技能士】と文字で書いてあるだけでは外注の可能性があります。


ネット上には、様々な情報が氾濫しております。
中には、何とかして買い替えさせようといい加減な事を言ったり、他の店の信用を落とそうと嘘を言っている店もあります。
印章業には『一級印章彫刻技能士』という正式な国家資格があります。
『一級印章彫刻技能士』の資格を持っていない店の情報は信用しないでください。


他にもネットショップだけではなく
実店舗を構えている事、
出来れば貸店舗のような簡単にいなくなりそうな店ではなく、しっかりとした店を構えてるほうがいいと思いませんか?



最後に・・・

ここを読んでいると「他店の悪口を書いているみたいで気に入らない。」と思う人が中にはいるかもしれません。
そこがこちらも心苦しいのですが、上に書いたようなような事実を知らないで購入している人があまりにも多いので、
あまりオブラートに包まずにはっきりと書かせていただきました。
くどいようですが、
皆様の財産にかかわる大事な事ですので。



長くて下手な文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。
この機会に改めて印鑑を重要視し、印鑑の
『便利さ・怖さ・大切さ』を再認識して頂けたら幸いです。



印鑑を作るという仕事は、ハンコ屋にとっては通常どうしても
毎日の単純な作業という感覚になりがちです。
しかし、お客様にとっては家と同じように
『一生モノ』になるのです。
当社では常にその事を忘れないように仕事に取り組んでおりますので、
安心してお任せください。




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